【第12回】番外編「ふちょう」 #02

今回も番外編として前回に引き続き「ふちょう」のお話をしていきます。

前回では「ふちょう」の表し方をお勉強しましたが、今回は呼び方をお勉強していきたいと思います。

さて、ふつう数字を読むときは、1(いち) 2(に) 3(さん)…という感じに読んでいきます。しかし「ふちょう」の世界では想像もできないようなヘンテコな読み方をします。しかも、前回説明したとおり、地方によってぜんぜん読み方も異なります。ですから、私たち名古屋の市場の人間も、東京のふちょうで数字を言われてもまったくわかりません。おそらくは東京の人に名古屋のふちょうを言っても分からないでしょう。言うなれば「方言」みたいなものですね。

それでは基本的なふちょうの例をお勉強していきましょう。もちろん名古屋の青果で使われるふちょうです。

10、100、1000 → ボゥ
20、200、2000 → ケタ
30、300、3000 → ゴト
40、400、4000 → ケノ
50、500、5000 → ガレ
60、600、6000 → イチマイ
70、700、7000 → ビリ
80、800、8000 → バン
90、900、9000 → ヨマイ

とまぁ基本的な読み方はこんな感じです。

しかし、難しいのは上に述べた数字でも他の数字との組み合わせ次第では読み方が変わったりしてしまうのです。例えば「31」は「サンピン」、「41」は「ヨンピン」と読みます。「ゴトボゥ」とか「ケノボウ」とは読みません。基本的には続き数字の場合は普通に数字を読む要領で表すことが多いのです。「23」だったら「ニィサン」ですし、「52」だったら「ゴゥニィ」です。な~んだ意外と簡単じゃん!なんて思いきや特殊な読み方はまだまだ存在するのです。それは「11~19」までの数字と、「○5」の下一桁に「5」のつく二桁の数字です。さらに「22」という数字も別の読み方があります。それではその数字たちの読み方をお勉強していきましょう。

11、110、1100 → ケン
12、120、1200 → ヒャリ
13、130、1300 → サンズン
14、140、1400 → シスン
15、150、1500 → アコ
16、160、1600 → ウドン
17、170、1700 → オヒチ
18、180、1800 → カンノン
19、190、1900 → イッキュウ
25、250、2500 → ナカバ
35、350、3500 → ダイチョウ
45、450、4500 → マチョウ
55、550、5500 → チョウチョウ
65、650、6500 → イナハン
75、750、7500 → ビリチョウ
85、850、8500 → バンチョウ
95、950、9500 → キュウチョウ、ヨマイハン
22、220、2200 → チャンチャン

こんな感じで読みます。

見ての通り、「5」は下の桁につくと「チョウ」と読むことが多いことがわかります。おかしいのは、「16」の「ウドン」や「18」の「カンノン」などの想像すらできないものですね。

カネク青果では気をつけなくてはならないふちょうが存在します。それは中西氏や、村上氏が勝手に考案した「カネクふちょう」です。しかし毎日カネクふちょうを使うものですから、意外とお客様の中で浸透しつつあるところが怖いところで、逆にお客様のほうから使ってくるということも多々あります。

せっかくですからちょっと胡散臭い「カネクふちょう」も紹介してみたいと思います。

8 → コマネチ [村上氏考案] (でも本当は9を表す。意味がわかりません)
18、180、1800 → ピスタチオ [中西氏考案]
5、50、500 → ガチョ~ン [中西氏考案]
77 → イッコウ [日比野氏考案] (番外編ふちょう第一回の表し方参照)
6、60、600 → タカシマタダオ [日比野氏考案] (番外編ふちょう第一回の表し方参照)

以上がカネクふちょうの一部です。下手に覚えると混乱しますので、あまり気にしないようにすることがお勧めです。

これで2回続けて掲載してきました「ふちょう」のお勉強は終了です。

覚えて無くても何も問題ないものもありましたが、名古屋の市場で働く上では切っても切れない「ふちょう」たち。今後も「市場」という雰囲気を失わないためにも使われていくとよいかなと思う今日この頃です。