風邪、インフルエンザなど何かと体調を崩しやすい冬場になってまいりましたね…お鍋がおいしい季節ではありますが、今回のPICK UPはお鍋とは関係ありません! では何かといいますと…なんと『ネバネバ野菜!!』なぜネバネバなのか? ネバネバというと夏場のが良いのでは? いえいえ、それはあえて風邪などの流行りやすい冬場にこのネバネバがお勧めなのです。詳細はこの後すぐ!!
ネバネバの代名詞といえば、そう! 納豆ですね。でも納豆はもともとは大豆、大豆自体はネバネバしてはいません。納豆菌によって発酵する過程でネバネバしてくるのです。ではネバネバとは何なのか…正体は「ムチン」という糖とタンパク質が結合した物質です。納豆はこのムチンという物質を桁外れに多く含んでいる食材なのです。
ではなぜムチンが体に良いのでしょうか? 実は人間の体の中には初めからムチンがたくさん存在しています。体の中でネバネバしているところ…それは粘膜です。中でもより多くのムチンが存在するのは「胃」です。胃酸は食べ物を溶かしてしまうほどの強烈な酸性の液体です。胃は通常胃酸で溶けることはありません。お分かりの通りムチンで保護されているからです。呼吸器等の粘膜ももちろんムチンで覆われています。風邪やインフルエンザなどのウイルスは粘膜を通して感染します。粘膜がしっかりとムチンに覆われていればウイルスの感染も軽減されると考えられています。ですから風邪などの流行しやすい冬にこそネバネバは非常に重要な物質といえるのです。
日本は世界一の長寿国といわれています。それはなぜか…日本ほどムチンを多く摂取している国は世界中探してもないからです。
では私たちの日本で栽培されているネバネバな野菜たちを紹介していきたいと思います。
古代エジプトではクレオパトラも好んで食べていたとされています。日本には1980年頃から栽培が始まりました。
「モロヘイヤ」とは随分変わった名前ですが、由来を調べてみたところ、古代エジプトの王が原因不明の病に倒れ、どんな薬を飲んでも直らずに苦しんでいたところ、ある地元の医者が緑の野菜のスープを飲むように勧め、数日で病が全快したというちょっと大袈裟なお話があります。このことからその緑の野菜を『ムルキーヤ』=『王の野菜』と呼ぶようになり、それが訛って「モロヘイヤ」と呼ぶようになったという半ば強引な由来です。
豆知識として、モロヘイヤの種子には「コルコロシド」という強心配糖体や「ストロファンチジン」という有毒物質を含んでいるので絶対に食べないように!!
そしてムチンなどです。
日本には幕末に中国より渡来したとされています。近年は、ハウス栽培に適した矮性の五角種が多く、濃緑色が好まれます。最大の特徴はやはりあのネバネバ!
成分はムチンの他に、食物繊維のペクチンが豊富で、整腸作用を促し、下痢や便秘に良いとされます。
ただオクラといってもいろいろな種類のオクラがあります。皮が赤い「赤オクラ」、高知産などで知られる「ミニオクラ」、沖縄では「島オクラ」という原種に近い大きなオクラがあります。島オクラは従来の五角のものの他に、断面の丸い「丸オクラ」もあります。
オクラの花も食べることができます。花にも粘り気があり、大きな花弁が特徴なので、いろいろな食材を巻いて調理されたりしています。
近年では、輸入のオクラが通年出荷できるために、国産のものが不足しがちな冬場でも安定して食卓に並ぶようになっています。
原産・北アフリカ・インドとされている。
アロエは太古の昔から原住民の薬草として珍重されていました。文献に登場するのは、古代エジプトの『エーベルス・パピルス』と言う古文書に紀元前16世紀ごろに登場します。日本には5、600年前に海路をつたって中国から渡来してきたと思われます。
名前の由来・ アロエベラの名前の由来は、アラビア語の“ロエ”(苦いの意)から来ているようで日本へ渡来してきた当初は、コレを音写して蘆薈(ろかい)と呼ばれていました。ある植物学者が『真のアロエ』と言う意味のラテン語で『アロエベラ』と名付けられたそうです。
数あるアロエの中でもアロエベラは、特に葉肉中の粘液量が多く、アミノ酸、酵素類、などが豊富に含まれています。また粘液は多糖類のムチンと言う物で、健康にとてもよいとされています。
アロエのルーツである南アフリカでは、通貨の図柄にも使われるほど現地ではなじみの深い植物です。
山芋の代名詞といえばやはりこの長芋でしょう。主に北海道や東北地方で多く栽培されています。形状は断面の丸い棒状なのが特徴です。水分が多く、山芋の中では粘りが少ないため、とろろには少し不向きです。でもサクサクとした歯ざわりを生かした短冊や、サラダなどには適しています。
もっともポピュラーなだけに生産量も他の山芋に比べて格段に多いため、等級、サイズも数多くあります。小売店もお客様のニーズにあった大きさや品質を選んで販売できるので、ほとんどのスーパーや八百屋さんにも陳列されていますね。
山芋の中で唯一日本原産の植物です。品質の見極め方は粘りと糖度で判断します。糖度は下は6度くらいから上は15度程度まであります。
最近ではパイプなどを使って栽培されているものもありますが、やはり天然の物の方が粘りが強く味も良いとされています。
普通、長芋は皮を剥いて短冊にしたり摩り下ろしたりしますが、自然薯は皮まで一緒に摩り下ろします。皮に風味があるからです。細かいひげ(根)は摩り下ろしても残ってしまうので、コンロなどを使って焼き払います。
摩り下ろして放置しておくと黒く変色してきます。これは灰汁(アク)が原因なのですが、この灰汁は栄養の消化を促す抗配化作用があります。この灰汁が食べるとコクへと変わります。
日本で栽培されている山芋類の中で、塊形種がツクネイモと呼ばれています。山の芋はあの特有の粘りが生命です。通常、芋をすりおろし、とろろとして食用に供されてきました。粘質物はナガイモの0.59%に対して山の芋は2.4%と約4倍多く、澱粉粉質でもジャガイモの7.67%に対して山の芋は23.65%と約3倍もあります。
最近では、美容と健康食品、またインスタント食品の素材としても広く用いられており、現在販売されているお好み焼き粉には、必ずと言っていいほど含まれています。また、薬用としても補腎益精剤、発汗剤、駆虫剤、潰瘍・赤痢などの治療薬としても重宝されています。
皮の黒いつくね芋と異なり、白皮の丸形で、皮が薄く灰汁がほとんどなのが特徴です。親芋を頭上に頂く様に、子芋が大きく育つことから、別名親孝行芋とも呼ばれています。
この芋もやはり粘りが命で、調理方法は自然薯やつくね芋と同じです。灰汁がない分食べやすく、他の食材とも相性が良いです。
その名のとおり伊勢地方で作られています。伊勢地方の温暖な気候と多くの川の流れ、そして肥えた土地に恵まれて栽培されて品質の向上をしています。
主に関東で大和芋呼ばれていますが、別名「銀杏芋」とも言います。写真のように長芋のような形をした棒状のものが加工しやすく好まれますが、手の平型や、バチ型、そしてイチョウの葉っぱのような形をしたものもあります。そのような形状をしていることから銀杏芋と呼ばれるのでしょう。ほとんどが真空パックされて市場に出回っています。少し前までは漂白されて真っ白な大和芋が主流でしたが、最近は農薬の規制等の問題が多く、漂白せずに洗った芋をそのまま真空パックにしたものがほとんどです。
粘りは長芋より多く、トロロにするには最適な山芋です。
青森産の長芋の改良品種で、通常の長芋より粘りが強いのが特徴です。図のように袋入りになっており、一般家庭で使いやすいように加工されているためスーパーマーケットなど小売店で人気があります。