【第6回】山菜 #02

今月のPICKUPは前回に引き続き「山菜」です。前回では紹介されなかった山菜たちを紹介していきたいと思います。なかなか目にすることの少ない山菜たちを中心にPICKUPしていきます。いったいどのようにして食べるのか? どんな味なのか?たとえ普通に店頭に並んでいても手の出しづらい山菜たちなのではないでしょうか?

うんちく

うるい


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ユリ科ギボウシ属の植物です。もともとギボウシ属の植物は東南アジアの特産ですが、日本にも多く自生しています。以前はほとんどが天然のものを採って市販されていましたが、近年では栽培物が普及するようになりました。湿り気の多い畑で栽培され、土寄せをすることによって軟らかくなります。同品種で「雪うるい」という葉の部分の黄色い軟化したうるいもあります。ほろ苦いのと、ぬめりがあるのが特徴です。苦いといってもほとんど気にならないほどですから、お浸しや酢の物、汁物の具材として使われます。軽く湯通ししてサラダなどに使うのもいいのではないでしょうか。葉柄をゆでて干したものを保存食として使われる地域もあるそうで、「やまがんぴょう」と呼ばれます。

かたくり (片栗)


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ユリ科カタクリ属の球根型多年草です。日本のほとんどの地域で自生しています。4月から5月にかけて紅紫色のかわいらしい花をつけます。山菜として食すのは若葉です。やわらかな甘みがありお浸しや和え物に使われます。楕円形の球根は砕いて臼でひいてでんぷんを取るとトロミをつけたり唐揚げ、お菓子などで使われる「片栗粉」となります。しかし、本当の片栗から取れる片栗粉は貴重で、現在売られている片栗粉のほとんどは、性質の似ている馬鈴薯のでんぷん質から作られたものです。

こしあぶら


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ウコギ科ウコギ属で「ごんぜつ」とも呼ばれます。日本各地の山野に自生する植物です。見た目はタラの芽とよく似ていますが、味は程遠く、独特の香りがあります。この樹の樹液をこして塗料として使われていたことから「こしあぶら」の名前が付いたとされています。和え物などに使われることが多いですが、揚げ物も美味です。香りが強いため好き嫌いが分かれますが、その香りを生かして汁物などに葉先を細かく刻んだものを散らして使うのもオツな食べ方ですね。

のびる


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ユリ科ネギ属の多年生植物です。半月形の細かい葉が特徴で、春を過ぎると葉は枯れてしまい硬くなってしまいますが、球根の部分は一年中同様に利用できます。山菜といわれますが実は河川敷の土手などでよく見かけます。ネギのようなニラのような風味をもち、ぬたなど和え物に使われる他に、揚げ物や炒め物にも使われます。生食でも利用できます。生ですとエシャレットのような辛味があります。

行者にんにく (行者忍辱)


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ユリ科ネギ属の山菜で、アイヌネギ、エゾネギとも呼ばれます。行者にんにくの名前の由来は深山で修行する行者が、スタミナ源としてこれを食べたことからついた名前と言われています。別名のとおり北海道を中心に多く栽培されていますが、東北地方でも栽培されています。独特のにんにくに近い香りはどの料理にも愛称がよいため、山菜の中でも人気が高いですね。やはり天然の物のが香りが良いとされ、市場価格も高価なものとなっています。

いかがでしたでしょうか? まだまだたくさんの山菜たちがありますが、また別の機会に紹介していきたいと思います。この山菜たちを使ったレシピもお楽しみに!